コロナ禍で上演の機会が失われ、表現することからも遠ざかりがちです。
演技をする人間には表現の場がないことは、とても不安でもどかしいものです。
よりよい舞台のためにほんの少しでも歩んでいたい。
何かないかと考え、ZOOMを使ってリーディンング学習会を思いつきました。
他劇団の役者さんたちと数名で、同じ本を声に出して読み、お互いから学びあおうというものです。全5回の内3回は朗読のみ、残り2回は「物」を加えてのパフォーマンスを行います。
題材は宮沢賢治の「どんぐりと山猫」。本棚を探したら・・・、
こんな年代物の文庫本が出てきました。ページ
の焼け具合、古びた紙のナッツのような匂いに
ときめきます。
挿絵もいい感じです。野生的に描かれた山猫と
可憐な花の組み合わせ。構図が美しいです。
作画は菊池武雄氏です。
お値段は180円でした。
ウン十年前に購入したのですね。
そして、この女性の絵。なんだか魅かれるなあ
と表にかえしてみると、
カバーの絵は、丸木俊さん。
あの、「原爆の図」をご主人の丸木位里さんと
描かれた方ですね。「原爆の図」は是非一度、
実際に目にしたいと切に望んでいる絵です。
とても嬉しい出会い。
美しい色彩、幻想的な世界に引き込まれます。
優しく深い心をお持ちだったんでしょうね。
「原爆の図」をお描きになるのは
想像できないくらいの苦しみの渦の中に
再び身を投じる行為だったのではないでしょ
うか。強い強い気持ちで描かれてで あろう
その絵と、やはり向き合ってみたいと思いま
す。
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